特別座談会―大学生受検者にお話をうかがいました!
2011年1月、新潟大学で自治体法務検定(政策法務)の団体受検が行われ、この検定を受検した新潟大学の加藤大介さん(4年生)、青海将弘さん(4年生)、井口貴文さん(3年生)にお集まりいただき、自治検についての座談会を行いました。加藤さん、青海さんは2011年4月から福島県庁に入庁されます。井口さんも将来、自治体で働くことを志望し猛勉強中です。
- 自治検を受検したきっかけは何ですか?
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加藤さん:福島県庁への就職が決まり、県庁で働く前に自治検を受けることで気持ちを高めるということと、公務員試験が終わると勉強をしなくなってしまいそうなので、モチベーションを維持し続けたいと思い受検しました。公務員試験の勉強と自治検の勉強は行政法など共通するテーマがあるので、公務員試験を受検する学生に役立つと思います。そういう意味では、試験の時期は今回、公務員試験が先行してしまいましたが、逆の方が良かったのかもしれません。
井口さん:私も自治体職員を目指していますが、加藤さんと同じように行政法が公務員試験の勉強とも重なる部分があり、自治検は専門的に勉強できると思いました。また、公務員試験と自治検を同時並行して進めることで、自分に足りない部分がよくわかるメリットがあります。
青海さん:新しい検定だったのでどんなものかチャレンジしたいという気持ちと自治体に就職するに際して、自治検は公務員試験よりも実務に近いのではないかと思い受検しました。
- 自治検、特に今回受検された政策法務の内容は、学生にとってイメージしづらいように思うのですが。
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青海さん:正直、公式テキストを読んで実務がイメージできたかというとそうでもなかったのですが、公務員試験に近い形だったので違和感はなかったです。
加藤さん:「立法法務」や「解釈法務」といった分野は公務員試験に出てこない分野なので、公式テキストを読んで「なるほど」という感想は持ちました。
井口さん:政策に絡む問題があったので、私はどちらかというと学生の感覚だけではイメージしづらい部分があるように感じました。やはり実務を経験していないと難しいというのが実感です。
- 加藤さんは学生受検者の中でも唯一プラチナクラスを取得したということなのですが、どのくらい勉強したのですか?
- 加藤さん: 12、1月に公式テキストを2、3回読んだ程度でした。公務員試験の延長ということもあったので、それほど大変ではなかったです。ただ、結果に関しては7、8割はいけるとは思っていたのですが、9割以上というのは予想外でした。
- 今後、自治体職員としてどんな仕事をしてみたいですか?
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加藤さん:一昨年、福島県庁でのインターンシップで、高齢福祉課を経験させていただき、その時に非常にやりがいのある仕事だと感じました。この経験から、介護行政に関わる仕事ができればと考えています。住民の方々や、職場の方々から頼りがいのある自治体職員になりたいです。
青海さん:具体的にやりたい仕事は、福島県内の企業誘致や道州制の推進、また、県内の権限移譲を推進していきたいです。現在、国が権限移譲を進めるほど、都道府県は県内市町村に権限を移譲していないと思うので、自分がそういった仕事に関わることで自治体の自律を促していきたいと思っています。というのも、私はバイクが好きで様々な地域を旅してきたのですが、福島県は県内市町村がそれぞれに意識が高く、ほどよい競争関係というか、お互いに意識し合っている関係ができあがっているように思います。そういった意識の高い市町村に対して権限移譲を進めることはとてもやりがいのある仕事ではないかと考えました。
井口さん:今所属しているゼミで社会保障法に関するテーマについて研究しているのですが、福祉分野や市民の方々が働きやすい環境づくりを整えるような仕事に携わりたいです。
- これからもっと勉強したいテーマはありますか?
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加藤さん:労働行政の分野をもっと掘り下げて勉強してみたいです。
青海さん:地方財政についてもっと勉強していきたいです。何をするにしても先立つものがないとできないので、福島県が今どういう状況なのかを詳細に把握するための知識を身につけたいと思っています。
井口さん:法律をもっと勉強して将来的には司法書士の資格をとりたいと思っています。
- 今後の自治検に期待することは何ですか?
- 加藤さん:自治検は公務員試験の前の腕試しとして、またモチベーションを上げる意味でちょうどよい試験だと思います。もっと公務員を目指す学生に広がっていくことを期待しています。
青海さん:自治検は基本が詰まった検定だと思うので、私も公務員試験の勉強を深く掘り下げる意味でも非常に良い検定だと思います。自治体職員になりたいと思っている学生は全員受検してもらいたいですね。
井口さん:私は、公務員を目指す人にとっては、自治検の内容というのは民間でいう企業研究の位置づけになるのではないかと思います。自治体ではどのような仕事があるのか、その中でどのような課題があるのかを知識として習得する良いツールだと思いました。
※事務局注)この座談会は2011年3月10日に行われました。翌日に東日本大震災が発生しましたが、4月から福島県庁に入庁する加藤さん、青海さんより「このピンチをチャンスに変えて頑張ります!」という力強い言葉をいただきました。インタビューの内容からもわかるように、高邁な志を持った新入職員がきっと福島の復興を支えることと思います。この困難を乗り越えて頑張ってください!!