「チーム多摩市」として学び合い育ち合う“チャレンジし続ける”職員を支える

小泉瑞穂 様・目黒広和 様
多摩市人事課人財育成担当
小泉瑞穂 様・目黒広和 様
自治体法務検定の団体受検を導入することに決めた理由をお聞かせください
自治体法務検定のことは以前から知っていたのですが、ちょうど周辺の自治体の人材 育成担当で集まる会議があって、同じブロックの市で団体受検を実施していることを知りました。そこで、自治体法務検定とはどのようなものなので、どのように活用できるのかを、まずは自分たちで試してみなければわからないと考え、人事課の職員数人で政策法務を受検しました。
業務を行いながら検定に向けて勉強する時間を設けるのは、なかなかたいへんでしたが、勉強を進めるにつれ、自分が知らなかったことがこんなに多かったということに気づきました。単純な知識だけでなく、具体的にそれをどう政策に実現していけばよいのか、PDCAサイクルをどう動かしていけばよいかなど、実務に直接つながる内容であったところが、いわゆるテストのための勉強でなく、意味のあるものでした。
単なる法律知識をつめ込むだけではない、実際にどう運用していくのかということについても、テキストに入っていたので参考になりましたし、継続して勉強する動機づけにもなりました。
このような機会をもっと多くの職員の知ってもらい、市の法務運用レベルを上げていきたいと思ったから、というのが動機の大きいところです。
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自治体法務検定を評価されたのはどのような点ですか?
何かの知識を定着させるためには、目標に向かってチャレンジすることが必要だと考えています。自治体法務検定は、結果が点数という形で現れ、得点によってクラス認定もされますので、職員によってはゴールドクラスやプラチナクラスを目指すのもモチベーションを上げるために良いと思いますし、テキストでの学習だけでも効果はあると思いますが、せっかく勉強したのですから、効果測定として受検してみるというのもよいと考えています。複雑かつ多岐にわたる法律の規定の細かい部分については忘れてしまうこともありますし、日常使わないものもあります。27年度であれば番号法や行政不服審査法の新制度についてなど、新たに覚える必要があるものもありましたので、同じ科目を続けて受検したり、政策法務→基本法務→政策法務というように、繰り返しチャレンジすることもよいと考えています。
受検者をどのように募集・選定されましたか?
人事課としては、広くいろいろな部署の様々な年次、職層の職員にそれぞれの立場で自己啓発として、必要となる法務の知識を身につけてほしいという思いから、特に募集において条件の指定はしていません。
ですがやはり、若い世代の職員には積極的にチャレンジしてもらいたいと考えています。入庁1年目の職員に対しては研修のなかで、自治体法務検定については時間を割いて直接紹介していますが指名や強制ではありません。傾向として、若手職員は「基本法務」、中堅職員や役職のついている職員は「政策法務」を受験することが多いですが、そういった傾向性に捉われず、自由にチャレンジしてほしいと考えています。
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自治体法務検定を活用することで期待することは何ですか?
当市では、年2回職員の意向調査を行い、どんなセクションでどんな仕事をしたいかを集約しています。
観光行政や、子どもの教育行政、貧困問題、高齢者対策など、当市には様々な課題意識を持った職員が働いていますが、個々に描く政策の実現のためには、そのベースとなる法務知識の素養が必要不可欠です。
「地方分権」と言葉ではよく言いますが、政策を実現するためには、正しくその中身を理解しなくてはいけません。自身の仕事に影響があるのはどのような部分で、どのような権限が委譲されたのか、今までと何が違っているのか、根拠となる法令について理解力を付けなければなりません。受検によってその知識を得た職員には、自身の能力を業務に積極的に活かし、組織に還元していくことを求めています。
多摩市では人材育成事業としてどのようなことに取り組んでいますか?
当市では、このたび12年ぶりに「人財育成基本方針」を改訂しました。
あえて「人材育成」ではなく「人財育成」とすることにより、職員は、「組織の財産」として、職員が自己の価値を理解し、能力を継続的に発揮し、組織に貢献することを求めています。また、同時に「市民の財産」でありたいとの高い目標を掲げています。
当市では「目指すべき人財像」と「目指すべき職場像」の2つを掲げ、職員が目指すもの、職場が目指していくところを具体的に示しています。その中では、個々の能力を上げていくことはもちろんですが、それだけではよい政策は実現できないと考え、組織として、チームで能力を発揮していくことの重要性を明確に表しています。特に、最近の市の施策は、単一の組織では実現できなくなっています。
当市では、健幸都市(スマートウェルネスシティ)多摩の創造や多摩ニュータウンの再生などに取り組んでいますが、部を越えての協力・連携は不可欠です。そのような背景から「チーム多摩市」としての組織力アップを掲げています。学び合い・育ち合う職場でモチベーションを上げていく、一人ひとりが力をつけ、伸ばしていくための一つとして「自治検」が選択肢としてあり、お互いに学び合う職場を醸成していきたいと考えています。