2024年度第2回全体講評(政策法務)
当検定(一般受検)は、2023年度からオンライン方式により年2回開催することになった。本年度第2回の政策法務の一般受検者は50名である。2023年度・第2回(2024年2月実施)の一般受検者35名と、あるいは2024年度・第1回(2024年9月実施)の一般受検者31名と比べて、受検者が増加した。今後もオンライン方式による試験が定着し、受検者が増えていくことを願っている。
今回、第2回の政策法務の受検者数50名のうち、8割以上がクラス認定を受けるという好成績であり、プラチナクラス認定となった方もいた。
設問は、『公式テキスト』中の基本的なものから、『公式テキスト』以外の文献などから知識を得なければならない高度なものまで用意してあるが、委員会の方で高度な設問として用意した問題でも受検者全員が正解したものがあった。本検定に取り組んだ受検者の方々の学修成果があらわれていて、たいへん喜ばしいものである。今回の試験で、受検された方がみな高い能力を身につけられたものと確信している。
今回の配点に対する正答率を分野別(章ごと)に見ると、『公式テキスト〔政策法務編〕』のほぼ全ての分野(章)で5割を超えている。とくに「第3章 解釈運用法務の基礎」、「第6章 住民自治の仕組み」では、正答率が8割に迫るというものであった。個々の問題につき正答率の低いものは、情報公開制度の細部を知る必要があり実務経験がなければなかなか体得しにくい事項などやむを得ないものも多かった。もっとも、シティ・マネージャー制の設問のように、委員会では常識的事項と考えていた設問で正答率が高くないものもあった。
近年、地方自治に関する法制度は、大きな変貌を遂げている。とくに2024年6月の地方自治法改正により、補充的指示権制度の導入、サイバーセキュリティ等々では、非常に多くの重要な改正がなされた。さらに、2025年通常国会に提出された地方分権一括法には、条例等の公布における署名を電子署名となし得るための地方自治法改正案も盛り込まれている。自治体を取り巻く法制度に対して、従前の知識だけでは、的確には対応できなくなってきている。積極的に情報を収集して、現行法制に関する知識の更新を続け、政策法務に関する知見の向上を図ってほしい。
検定委員会では、今後も、法改正を踏まえた検定テキストの見直しを行い、併せて検定制度の充実を図っていく予定である。受検者の方々におかれては、お気づきのことがあれば是非、テキストの内容充実に関する意見を示していただきたい。
2025年3月
自治体法務検定委員会