「法のニオイ」を嗅ぐ練習
市川市議会事務局議事課 野村 憲一 さん
検定を受検したきっかけは何ですか?
最初は検定ブームの一つとしてしか認識しておらず、話のネタとしてやってみようという程度だったのですが、自治検の公式ホームページを見ると、役所単位で団体受検を行っていたりしていたので、これは本格的な検定なのかなと思いました。
野村さん |
それまで「政策法務」という言葉はご存知でしたか?
言葉自体は自治検ではじめて聞きました。ただ、公式テキストなどで勉強するうちに「政策法務」は何も特別なことではないということがわかりました。というのは、例えば民間では常に新しいことをしないと世の中の流れについていけないのと同様に、自治体でも常に新しいことを試行錯誤しながら取り組んでいかないと仕事が回っていかない。その試み自体が「政策法務」なのだろうと思います。逆に、「政策法務」という言葉を意識していなくても四苦八苦しながら課題に立ち向かうことは以前から自治体で行っていると思います。
受検後のご感想をお聞かせください。
以前、清掃関係の部署にいたのですが、その時感じたのは、住民の方や業者と接するとき、法を知っていて話をするのと知らないで話をするのとでは説得力が格段に違う。やはり、原課の職員は所管する法令ぐらいはおさえておかないといけないと思います。そういう意味で、自治検は原課で最低限知っておくべき知識を習得するための良い機会だと思いました。公式テキストに書かれていることはあくまで一般論ですが、その中で言わんとしていることを受検者がどのくらい現場とリンクさせて意識できるかだと思います。つまり、公式テキストに書かれている内容を、机の上の話にしてはいけないということです。
この検定に期待することは何ですか?
日々、仕事をしていると「これはもしかしたらヤバいんじゃないか」という、言ってみれば「法のニオイ」がするときがあります。このニオイを嗅ぎつけられるかどうかが、その後の大きな分かれ道になることがあります。知識を持つことで、現場で起きる事象に対して少なくとも何らかの勘を働かせることができる。自治検はこの「勘」というか、「法のニオイ」を嗅ぐ練習になるのではないでしょうか。私たち自治体職員は「当事者」として、日々、法を扱っている訳ですから、自治検が自分たちのこととして法を考えられるきっかけになればよいと思います。